世界を翔けるカメラマン田村裕司
自国で何が起こったのか、そして現在進行形で何が起きているのかを、しっかり見極めたいと強く思う。
記憶に残っていた被害にあった建物などは、多くが取り壊され、そのまま何が起きたのかも忘れてしまうような光景を多々見た。
いまだからこそ思う事は、震災直後、すぐに現場に入ってその写真を残せた事は、とても良い判断であったと思う。
当時、道なんてあってないようなものだったが、突き進んだ自分を、いまはとても誇りに思う。
きっと、あと数年でほとんどの工事が終わり、同時にいろんな事が忘れられていくだろう。
人は、忘れる事ができるから生きていけるのだ。
それでも、その場所で何が起きたのかは、しっかりと知らなければならないと思う。
これからも、私は被災地と向き合っていくことでしょう。
それが、この時代に生まれ合わせた私にできる、数少ない事なのだろう。 2014年4月 田村 裕司